Airis 2
「ただいま…」
そっと玄関の扉をあけると、リビングからテレビの音が漏れていた。
恐る恐る覗くと、ソファに座ってテレビを見ている奈央がいる。
「おかえり、遅かったね」
そう言って立ち上がって、テーブルにある料理を温め直してくれた。
あまりにもあっさりしている。
お疲れ様、なんて笑顔で言うのはさすがにおかしい。
「ごめん、奈央…急に」
「ううん大丈夫」
弁解しようとしたが、遮られた。
大丈夫って言われても。
そんな顔で大丈夫なんて言われても説得力がない。
笑っているくせに今にも泣きそうだ。