Airis 2
「奈央、」
「大丈夫だから!」
近づくと、割と大きな声で拒否された。
そこまで拒否されると、もう何もできない。
どうしようもなく、準備してくれている奈央を見ているとラップを取る手が止まった。
「奈央…」
「ごめんなさい、ほんとごめんなさい」
そう言ってもう我慢できなくなったのか、
ぽろぽろと涙がこぼした。
そっと近づくと、何も言わなかった。
とりあえず奈央の手にある皿をテーブルに置き、手を握る。
「なんで奈央が謝るの」
悪いのは全て俺だ。
奈央は何一つ悪くない。
いつも何も言わない奈央に甘えている。