Airis 2
「違う、違うの」
また泣き出しそうになる奈央の背中をさする。
華奢で小さな背中。
こんな小さな背中で、たくさんの大きなことを背負ってきたのだろう。
「やめて欲しくなんてないっ…」
荒くなる呼吸を落ち着かせる。
「深呼吸して」
「ん…」
少しずつ落ち着く呼吸を感じながら、そっと奈央の顔を覗き込んだ。
「じゃあ俺、まだお医者さん頑張って続けるからさ」
「うん」
「奈央も我慢しないで」
「…はい」