Airis 2
そのまままた荷物を片付けていると、
隣の部屋から何かが落ちる音がした。
なにか声がしてもいいのに、
声が全く聞こえない。
「沙衣?」
手に持っていた物をその場に置いて、
隣の部屋へと向かう。
「………沙衣?」
半開きのドアを開けて覗くと、
壁に手をついてしゃがんでいる沙衣の姿があった。
………辺りには散らばった靴下。
箱ごと落としたのだろう。
急いで駆け寄ると、
ギュッと目を瞑って辛そうな表情をしていた。