Airis 2





「………調子悪いんでしょ?」




それでもふるふると首を振る。

何をそんなに隠したいのか。




「さーえ」



少し強めに言うと俯いてしまった。




「………タケル」




「ん?」




「………めまい、する…」




聞き取れるかどうか、というくらい小さな声だったけど。


俺にはちゃんと伝わった。





「よし、偉い。ちゃんと言えた」




そっと沙衣の頭を撫でた。





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