Airis 2
吸入は嫌い、というだけあって
さっきよりもさらに大きく首を振った。
「じゃあちゃんと飲んで」
寝室に置いてあった薬を取って渡す。
嫌そうにしながらも、渋々と吸い薬を口に当てた。
「はい、よく頑張った」
まずそうにしかめっ面をする優苗の頭をポンポンとしてやると、
まるで子供のようにドヤ顔をしている。
「………音、聞かせて」
「え……」
さすがに発作のあとの呼吸くらいは確認しておきたい。
一度部屋を出て聴診器を取り、
再び寝室へと戻る。
「やだ」
「やだ、じゃない」
着ているのが前開きのパジャマではなく、被るタイプのものなので簡単に聴診器を当てることができない。