Airis 2
後ずさりしていく優苗。
……どんどん壁側に行っていることには気が付いてないようだ。
「………ちょっと、あんまり動くとまた苦しくなるよ」
たった数回吸っただけなので、
いつまた発作になるかも分からない。
それは嫌だと判断したのか、
自分から捲りあげた。
「ん、じゃあちゃんと息して」
「ちゃんと温めた?」
優苗が嫌いなのは、
この冷たい金属があたることらしい。
しっかり手で温めて胸にあてる。