Airis 2




大地が一度愛永を椅子から引っ張り出して、その間にテーブルを片付ける。



火がついたように泣く愛永は、
大地の肩に顔を乗せている。




「ごめんねー、びっくりしたね…」




台拭きでこぼれたごはんを取って、
コップに麦茶を注いで再び座らせる。



このコップは蓋がついているので、
いくら愛永が振り回してもこぼれない。




「うわー、これ保育園に預けるの大変そうじゃない?」




「どうしよう、泣いて行かなかったら」





「そこはもう無理やり先生に渡すしかないでしょ」




不機嫌な愛永は麦茶にも手をつけず、
フォークを握ったままお皿をガチャガチャしていた。







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