Airis 2
「……ん、ごめん。一回手を洗ってくる」
「えー、見てよー!」
目にしたものが少し信じられなくて、
洗面所へと逃げた。
いや、だって………何だ?
ハンドソープを出しながら、
ついその光景について考えてしまう。
「沙衣、やっぱそれおかしいだろ」
「え?何が?」
手を拭いて戻ると、
まだ手を広げたまま待っている。
「……………どうやって作った?」
「この本見て」
片方の手でカウンターに置いてあった料理本を指さした。
………とりあえずその手、下ろせよ。
と突っ込みたいところだけど、
今はそれ以上に突っ込みたいものがある。
目の前に。