Airis 2
大地side
「ねえねえ、ちょっと一個聞いてもいい?」
「なに?」
「優苗って結婚したばっかの頃、肉じゃがの野菜そのままつっこんだりしてた?」
そんな相談、というか雑談のようなものをしていたのは夕方の医局。
広々とした窓からは夕日が照り込んでいる。
「なに、まさかそれ沙衣ちゃん?」
「………うん、そのまさか」
飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになって、必死に飲み込む。
「……悪い」
「いや、飲んでる大地にこの話をした俺が悪い」
「それにしても沙衣ちゃんって予想の斜め上をいくね」
「いや、斜め上どころか随分遠いとこ」