そんなに、可愛い顔すんな。~男子校は、ドキドキですっ!!~
でも、ハタと気が付いた。
いやいや、こんなことで固まっている場合じゃない。
がんばれあたし!
自分を叱咤激励し、なんとか手足を動かして、またもやお兄ちゃんを追いかける。
……と、オレ様、自己中のお兄ちゃんは、
「は? まだ、なにか用?」
と、大きな目をものすごーく細くして、もろ嫌そうな顔をした。
せ、性格悪っ!
口端がまたぴくぴくするのを感じながら、
「いやいや……。『まだ、なにか用?』……じゃなくて!」
と、さっきまでよりも強気で言ってみたら、
「なんだよ」
とぶっきらぼうだけど、お兄ちゃんは少しは聞く体制に入ってくれた。
それを逃さず、まくしたてる。
「あたしにも学校があるし。お兄ちゃんの代わりにお兄ちゃんの学校に行くことなんてできないよ。それに、そんなの、お兄ちゃんが普通に学校を休めばそれでよくない?風邪とか、腹痛とか、頭痛とか……。理由なんていくらでも思いつけるし、実際風邪とか引いたら、みんな普通に休むじゃん。それのどこが問題なわけ?」