そんなに、可愛い顔すんな。~男子校は、ドキドキですっ!!~


 あぁ。どこまで身勝手なんだよ、お兄ちゃん。

 とほほ……と心の中でため息をつく。

 でも今日は、いつもと違って、お兄ちゃんの横暴な要求をのむことはできない。

 へなへなと、ここで引き下がるわけにはいかない。

 だって、だって、だって!

「んー、でも……。お兄ちゃんの学校って……、たしか男子校じゃなかったかなぁ?」

 そう言った後、あはははは……と、ゆるい笑いを口元に浮かべた通り。

 そう、お兄ちゃんの学校は男子校、その上生活するのは男子寮なの!

 そんなの無理に決まってる。

 お兄ちゃん、忘れちゃってるかもしれないけど、あたし、女の子なんだよね~。

 お兄ちゃんとは、性別が違うのです。
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