そんなに、可愛い顔すんな。~男子校は、ドキドキですっ!!~
 

 だから、

「それでも無理っ!!」

 ……って断って大丈夫なはず。

 大丈夫なはずなのに……。

「ふーん、じゃあ結愛。今後はおまえが、この超高級マンションの家賃を払ってくれんの?俺の代わりに」

 と、お兄ちゃんは恐ろしいことを言いだした。

「……えっ!? 家賃っ!?」

「そう、家賃」

「……っ、それは……」

「どうなんだよ、早く返事をしろよ」

 鋭い声色に、思わず体がビクリと震える。

 お兄ちゃんはあたしの瞳を見つめたまま、あたしとの間合いをつめてきた。

 茶色の瞳にうつるのは、いらただし気な光。
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