そんなに、可愛い顔すんな。~男子校は、ドキドキですっ!!~
「ほぇ?」
あっけにとられて、ベッドの上できょとんとしてしまった。
その隙に、お兄ちゃんはあたしの部屋を出て行った。
「ちょっと待って、お兄ちゃんっ! どういうことか説明してよっ!!」
やっと我に返って、悲鳴のような声をあげる。
それから、
――パタパタパタッ。
お気に入りのパンダ柄スリッパをはいて、廊下を走るようにお兄ちゃんのあとを追いかけた。
「お兄ちゃんっ! 待ってってばっ!!」
と言っても振り向いてもくれないお兄ちゃんの名前は、月ヶ瀬葉月(つきがせ はづき)。
あたしと同じ15才で、高校1年。
そう、あたしたち、双子なの。
くるんとした茶色の大きな目が特徴的なのも、あたしと同じ。
背の高さも、158センチで、まったく同じ。