振った男
「うん。舞花からもらったのを使うよ」


「でも、小夏さんからもらったらどうするの?」


「んー、どうするかな。あ、違うものにしてもらうかな」


一樹には、もらわないという選択肢はないようだ。それに、あげないという選択肢もないようだ。

毎年恒例のことだとはいうけど、今までとは状況が違うとは思わないのだろうか。

それとも、私とのことは一樹にとって特別ではない?


「小夏さんには今年もあげるの?」


「ん、まあ…そうだな。あげるというか、交換なんだけどね」


「交換ね…。一樹は何をあげるつもりなの?」


「んー、ピアスにしようかと思っている。新しいのが欲しい!と言っていたから」


欲しいと一樹にねだったのかな?

でも、ピアスはアクセサリーなのにと…特別な意味があるように考えてしまうのは、私の思い過ごしかな。

私の心が狭いのかな。

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