振った男
一樹のことは好きだ。大好きだ。ずっと一緒にいたい。

でも、一樹は私じゃない人が好き…。

私よりもあの人が好き。


「舞花。どうした?寒いからどこかに入ろう」


駅前で待っていた私の体は冷えていた。心も冷えてきていた。一樹は冷えた私の手を握って、通りの反対側にあるコーヒーショップへと足を向けた。

温かいものを飲めば、心も温かくなるかな。

コーヒーショップの窓際の席で向かい合って座る。前の通りにもクリスマスイルミネーションが輝いている。


「舞花?どうした?」


「あ、うん。もうすぐクリスマスだね」


「うん。この辺りもきれいだよな」


二人で窓から見えるイルミネーションを眺める。

輝くイルミネーションと反対に私の心は曇っていた。


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