そこにアルのに見えないモノ
制限
「お待たせしました。
どうぞ」
黒崎は時間通りに現れた。
「有難うございます。失礼します」
雨の中、この前送って貰った時とは、全く違う感情。
そんな気持ちで今は黒崎の車に乗っている。
当然の事だが沈黙のままだ。
以外にも黒崎は話し掛けて来た。
「食事は?されましたか?」
食欲は無かった。食べたとも、食べなかったとも、言い辛い。
「こんな事、聞くのがおかしいですね。答え辛いですよね?
食欲、…無いですよね」
っ!そうだ。黒崎だって同じ、食べられ無いのだ。
「…はい」
「もっと変な話ですが、本題に入るまで…、この間までの僕と貴女で、少しご飯食べませんか?
やっぱりそれは無理かな…」
不謹慎かも知れない。
でも、何だか出来そうな気がした。だから。
「無理では無いです。変かも知れませんが、私、出来そうな気がします」
「あ、じゃあ、そこの先のファミレスに入りましょう。いいですか?」
「はい。大丈夫です。ファミレス好きです」
なんか変な会話してる。
自分の事、俯瞰で見てる感じがする。