そこにアルのに見えないモノ


「今は自堕落でも、愚かでも無いでしょう?

貴方はずっとその事に縛られて、ずっと父の事を悔やみながら生きて来たんです。
だから、もう、充分です。
充分なんですもう、囚われないでください。
もう、いいんです、もう…。

黒崎さん、…こんな話。
私は頭がおかしいんでしょうか…。

貴方がKurosakiの息子さんと解って、…父の話を聞いても…、私は貴方を好きになってしまうんです。

私にとっての黒崎さんは、高台で会った黒崎さんが始まりだから。
上手く言えませんが…違うんです、黒崎さんが。それぞれ…違う人なんです。

父への罪の贖罪だと思って諦めようとしても、貴方への思いが強くなるのです。
好きになってはいけないと解っても…」

「晶さん…」

「私は…許されないですよね。
貴方が好きだなんて…、だったら、あの時…、結婚してても良かったんじゃないかって…。

父親を犠牲にしているのに…、今の貴方が好きだなんて…。

すみません。…忘れてください。

送って頂かなくて結構です。
…話は終わりました。
どうぞ…、お帰りになってください」

「…晶さん、聞いてください。僕の気持ち

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