そこにアルのに見えないモノ


「しかし、若いってのは無邪気でいいな。
罪つくりでもあるけど」

「え?」

片方の肘をついて頭を乗せ、こっちを見ていた総一郎さんに黙って指された。

「え?えーーっ、きゃー」

胸、もろ出しになってた。
ていうか、隠れてるのは臍からしただけ。片足も見えてるし。
慌てて潜った。

「遅い遅い、今更」

一緒に潜って来た総一郎さんに抱きしめられた。
そのまま一緒に顔を出した。

「晶〜、今日、夜まで店開けないから、まだ時間一杯あるんだけど」

「だったら総一郎さん、今のうち少し寝ておかないと、疲れてるんだし、夜中眠く成ったら大変です」

「大丈夫だ。大人だからそこはなんとかなる」

「駄目です。真面目ぶって話さないでください」



「…晶、俺は、晶が困った顔して、仕事探してると言った時から、好きだったぞ」

「…総一郎さん…急に何ですか?」

「いや、何も話さず、こうなったから…。
後付けだなんて言うなよ?
昨日の夜、忘れさせてやるって言って抱いたけど。

必死で仕事を探してて、なんて一途で可愛い子なんだろうと思ったよ。
ヤバい、ロリコンなのかと一時期悩んだね。

あの頃、晶はまだ20歳だったし。計算したら解るけど、俺は34だったから」

「ロリコンなんて、そんな事思わないです。

…隠れた趣味なんか無いでしょ?」

「当ったり前だ!」

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