そこにアルのに見えないモノ
で、どうする?
Baron、辞めるか?続けるか?」
「…」
「アキヒコさんもシンジさんも、他の常連さんも、カオルちゃんが居なくなったら寂しがると思うけど?
まあ…、一番寂しいのは俺なんだけどね」
「…」
「晶…、自分で決める事だ。大人だからな」
「…総一郎さん」
「何?」
「…だって」
「ん?」
「神妙な話の内容と、している事が違います」
「ん?」
「…総一郎さん」
「あぁ…」
背中に回して抱きしめていた右手を、服の裾から忍び込ませ、いつの間にか背中のホックを摘んでいた。
両手を軽く上げ“万歳”して降参した。
「長く抱きしめて密着してただろ?だから、つい…な?
で、どうする?」
「…続けます」
キャッ。抱き上げられた。
「そ、総一郎さん、下ろしてください」
「続けるんだろ?ベッド行くぞ」
「もう…、違います」
「ん?ここがいいのか?寒いぞ。
まあ、直ぐアツくなる…」
「そうじゃなくてですね…仕事…」
「解ってるよ。
俺と居たいんだろ?」