姫と千尋の神隠し
懐かしの
私は姫架。
星野姫架(ほしのひめか)。

今年で16歳になる高校生。
私には自慢の親友がいるの。

「待ってー!姫架〜!」
そう言って私に駆け寄ってくる千尋。

私の、親友。



「…あれ?」
千尋が間の抜けた声を出して立ち止まった。

「ど、どうしたの?」
千尋が立ち止まった場所は、祠がたくさん置いてある森の手前の道。

「私、此処に昔来たことがあるような…。」
首を傾げる様に言った。

「昔…ねぇ……。」

「ねぇ姫架。ごめん。先に帰っててもらえる?」

ん??

「ちょっとちょっと!まさか行くんじゃ…。」
この先に続くのは森だ。
千尋の家に近いからといってあまりに危険だよ…。

「行くよ。」
待っててね、ハク…。

そんな声は、私には聞こえなかった。
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