姫と千尋の神隠し
「此処ではだいたいの仕事が掃除なんだよ!」
それ以外のシゴトもあるけどね…
と、千は苦笑いした。

「なるほどねえ…。ところで今日はなんの掃除をするの??」
私が問うと、千は嫌そうな顔をして、
「大湯掃除…トホホ……」
と答えた。

「そんなに大変なの?その、大湯掃除…?」
掃除が得意な私にとってはあまり嫌な仕事とは思えない。

「大変ったら大変!ほんっとに!!」
千がここまで言うんなら本当に大変なんだろうなぁ。

゚・*:.。❁

「よし!そろそろいいかなっ。」
千がそう言う。

えっもう終わり?
まだ汚れが…。

「これからもっと綺麗になる札を貰ってくるから少し此処で待っていて!」

札?洗剤みたいな物かな…?

「分かった。気をつけてね!」
そう言って微笑むと千も微笑み返してくれた。

千が帰ってくるまで、もうすこし磨いていようかな。



「そなた、新入りの姫か?」
聞き覚えの無い声がした。
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