想いをぜんぶ。
キミ*
教室の端で一人
席について外を眺めるキミ
少し開いた窓から吹く
花びらを伴わせた風が
キミの綺麗な黒髪をなびかせて
綺麗だ
思わず口にしていた一言に
クスッ
キミは可笑しそうに笑って
つられて笑顔になる僕に
あなたも綺麗よと言う
戸惑う僕に近づいたキミは
少し背伸びをして
僕の頭についたピンク色の花びらを
つまんで自分の手のひらにのせる
ほらね
綺麗でしょ
そう笑う君を見て
僕は言う
本当に綺麗だね。