あしたの音色

「あした」を探すのを辞めた。
どうしたって、なにをしたって、私に「あした」は来ないのだと。
そう、思ったからだ。
怖くて、必死になるのがもう、嫌で。
でも、逃げる勇気も、覚悟も、生憎、持ち合わせていなかった私は、「居続ける」道を選んだ。

「どうしてあの子はあんなに暗い子に育ってしまったのかしら。」
「あいついつも暗いよな、何考えてるのか分かんねぇし。怖いよな(笑)」
「あーめんどくせ、早く話せよ。お前、邪魔。」
「○○ちゃんって陰湿だよねー(笑)」
「お前がいなければ、俺はッ...!!」
「お前さえ生まれてこなければな....」
「なにあの子めっちゃ睨んでるんだけどー(笑)」
「っていうか、男好きだったりするの??(笑)」
「もうちょっと笑えば可愛いのにー(笑)」

もう...やめてください....。
聞き飽きました。
耳にタコができるくらい聞きました。
だから、だから、許してください。
ここに、ここに、居ていいのだと。
それだけは、許してください。
いつの間にか、「卑屈」になることを覚えていた。
そういえば、そうだ。
周りのせいで...。
でも、実際、私がなにも努力をしてないから。
たぶん、いや、絶対、周りのせいじゃない。
きっと、きっと、私の「努力」が足りないんだ。




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