あしたの音色
前を見ることで、何かが。
そう、変わると思っていた。

「なんかあいつ最近キショい」
「え、もともとじゃない?(笑)」
「キモイキモイ(笑)」
「笑ってんじゃねぇーよキメェ(笑)」

もう私はここに居場所を求めるのはやめた。
諦めた。
なのに、なんで悲しいと思うんだろう。
前を見るのを辛く感じるようになったのも、それが原因だったのかもしれない。
周りは変わらなかった。
自分に向けられる鋭利な刃物は、光を放っている。
今にも。
今にも私を目がけて走り出しそうな勢い。
いつ襲い掛かってくるのか。
もしかしたら、殺されてしまうのかも知れない。




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