俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「待てよ、やっぱ送ってく」



「いーよ。バイク、置いたままじゃん」




「徒歩で帰れる距離だろ?また取りに戻ればいーし。つか、お前学校どこ?この近くって…」



ギクッ。



そんなの、言えるわけない。










「なんで教えなきゃなんない?あんたなんかに、絶対教えない」



「へー。ま、そう言ってられんのも今のウチ。俺の情報網なめんなよ?すぐ調べるから」



矢野が、にやりと笑う。



バレてもいーけど、とりあえずコンテストが終わるまではバレるわけにはいかない。



この格好で外を出歩くのは、これっきりにしよう。




< 144 / 511 >

この作品をシェア

pagetop