俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「目ぇ閉じろ」



え、目…?



動揺しきってるからか、素直に従った。



そしてその瞬間、



柔らかい感触が、唇を伝う。



甘く、痺れるような感覚があたしを襲った。



「んっ…」



や、やだ…



キス。








矢野の両手が、あたしの頬を覆う。



壊れ物を扱うように、何度も繰り返されるキス。



そっと触れ合う度、矢野の温もりが唇から伝わってくる。



逃げたいのに、逃げられない…。



とろけるような甘い媚薬に、



もう…



あたしは、どうすることもできなくなっていた。






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