俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「お前がそう仕向けたんだろ?」




「違うね。俺のこと、知ってたって。電車で見て、憧れてたーって」




「え…そーなの?」




後輩女子を見ると、顔を真っ赤にして固まっている。




へーえ。




そうなんだ。




そうだよね、異性を好きになるのは自然の摂理。




いつもあたしを追っていたのは、もしかして矢野の代わりだった?




ま、あたしと矢野じゃ似ても似つかないけど。







「みっ、美夜先輩のことは…尊敬してるし、ホントに憧れてたんです。だけど、許してくださいっ!ごめんなさい!!」




泣きそうな顔で、矢野の後ろに隠れている。




背中にしがみつき、まるであたしが悪者。





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