俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ？

「出さないだけだよ」




「そうなんだ…」




そういえば、寿くんはいつも優しい。




声を荒げて怒るところも、見たことがない。




まあ、矢野と違ってトラブルを招くタイプではないから、そういう状況になることも少ないだろうけど。




「美夜ちゃんのこと、マジで好きなのになー」




にこにこと、微笑みながら言われると。










照れるけど、やっぱりうれしい気持ちはある。



「…ありがと」



でもやっぱり、目は見れない！



「ま、俺ららしく…ゆっくり進んでいけばいっか。なんか、不完全燃焼だけど仕方ない」




寿くんは、ホントに優しい。




「悪魔だなんて言って、ごめんなさい…」