俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「されてない…寿くん、あたしの気持ちを優先するって」



「へー、あいつが?珍しい」



…もう、なにも言えない。



寿くんって、そんな危険人物なんだね。



そんな風に言われると、ふたりっきりで会うの、怖くなってきた。








「お前には、本気なのかなー」



矢野は、カバンを机の上に置きドサッと勢いよく椅子に座る。



俯き加減に話しているから、若干聞き取り辛かったけど、多分そう言ったはず。



寿くんが…あたしに、本気…。



だから、いつもと違うってこと?



「そんなに、いつもの付き合い方と違うんだ?」



「なんてな、さすがにオネエに手は出せねーか」



コイツ…。



「まだあたしをオネエ呼ばわりする?」








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