俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ？

「傷ついてんの？そか、ごめんな」



神妙な顔つきになるでもなく、その貼り付けたような笑顔はなに？



ほんっと、コイツって…。



「だから顔に誠意がないっつってんでしょ。そこで笑うなよ」



「はー？真面目な顔で言えってか」



途端、矢野の顔から笑みが消えた。



俯き下限になり、あたしを見上げるようにして見つめる。



なっ…なに、言われるの！？



「ごめんな。俺が悪かった…」



えっ…。



「寿と仲いーし、ヤキモチ。俺のこと、眼中にねぇじゃん。それが悔しくて…」



矢野が、あたしの手を取る。



ひゃっ…。



「なーんてな…」



わっ…しまった！！



矢野は冗談でやったみたいだけど、見事に反応してしまった。



もう、燃えてるみたいに顔が熱い。




「お前…」