俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
けど。



「きっと、理想が高いんだな~」




「そうかも…あたしじゃ、ダメだね」



心愛は、がっくりと肩を落としている。




「そんなことないよ。心愛は、かわいーじゃん。他のどの子より…ううん、学校一かわいい」



「美夜、ありがと。やっぱりあたしの王子は、美夜だけだわ」



心愛がくすりと笑う。



「よく言う~。心愛だけなんだから、あたしを特別扱いしなかったのは」







ちょっと見た目がボーイッシュなだけ、




ちょっと運動が他の子よりできただけ、




ちょっと女子校の中で目立っただけ。



ただそれだけなのに、みんなが王子王子ってはやしたてて。



それに少し浮かれていたのも正直あるけど、心愛だけは出会ったときから普通だった。



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