俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
風邪でぶっ倒れてなくても、きっと矢野には負けただろうね。



条件を突きつけられたときに、断るべきだった。



だけどあたしは、それをしなかったんだ。



それは、寿くんに対しても失礼だし、



あたし自身のプライドにかけてもそう。



負けたなら、負けたものなりに…付き合う努力をすべきだよね。








「そんなことない。寿くん、帰ろ」



ガタッと勢いよく立ち上がる。



そんなあたしを見て、寿くんも少し驚いていた。



だけど、言葉には出さず。



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