俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「え…カレシって、過去の話だろ?寿、前は相当遊んでたけど、今は変な女一筋だからなー」




おい、変な女って言うなよ!




腹立たしいけど、今はそこを怒ってる場合じゃない。




矢野って、意外と疑うことを知らない!?




勘も冴えてないし、それが救いかも。




それならいっそ、このまま気づかないで。







「まさか、寿先輩が二股!?そんなわけないよ。男子校と合併して、お姉ちゃんと運命の再会を果たしたんだから」



美琴が言うのを聞いて、矢野が眉間にシワを寄せコウくんを見る。




「…ちょ、待てよ。コウタ、迎えに来て欲しい家って、ハクチョウって書いてたよな。まさか…」



ハクチョウって!



だから表札見ても気づかないって…そんな、バカな。




「え…まさか、お前…白鳥?」




はい…。



もう、煮るなり焼くなり好きにして下さい。


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