俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「にっ…兄ちゃん、そんな言い方…しないでよ。美琴ちゃんのお姉さんは、いい人だよ?」




矢野のバイクの後ろにまたがり、コウくんが怯えながら言う。




「テメーもよく聞いとけ。今後一切、コイツの妹と接触すんな」




「…は?」




思わず、あたしも呆れてしまう。









「コウくんと美琴にはなんの関係もないでしょーよ。そこまで口出す?」




「俺はコイツの保護者同然だから。交友関係も、選ばせてもらう」




「なっ…いくらなんでも、それ行き過ぎでしょ」




「そうか?もし今日、コウタになんかあって…お前責任取れんのか?」




そ、それは…そうだけど。




「コウくん、もう…大丈夫なんだよね?」




「そうだとしても。お前みたいな人間、信用できねーな」




それを言われると、辛い。




あたしも、矢野を騙したことは後悔してる。




だけど、うまく伝えられなくて…こういう結果になってしまった。



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