俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「フフ、お姉ちゃん罰が当たったんだね~」




今まで、天使だと思っていた。




美琴の口から、こんな言葉が出るようになるなんて…。




デート当日、熱で寝込むあたしを見て薄ら笑う妹。




ピュアでかわいい妹だったのに、こんなにイジワル娘になってしまうなんて!




だけど、微笑みだけは天使のままだ。




喋らなければ…ね。






「寿先輩、お姉ちゃんと会えなくて残念がってたよ。ホントお姉ちゃんって、人の期待を裏切るよね」




「うっ」




そうなの、わざわざ家まで迎えに来てくれたのに。




昨日からの高熱で、お風呂にも入ってなければ、目も顔も腫れぼったくて、




とてもじゃないけど、こんな醜態をさらすわけにはいかない。




だから、顔を見せることなく帰ってもらったんだ…。




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