俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
「…い、おい。聞いてんのか?」




矢野が、なにかあたしに話しかけてたようで。




だけど全く耳にはいってこなかった。




聞いてないし、矢野のムダ話を聞く気にもなれない。




あたしが知りたいのは、寿くんの本心だよ。




いつもみたいに、冗談だよとか、




あたしの気を引くためにしたことだって、言うに決まってる。




矢野のは、全部でたらめだ…。









帰りまで待つこともできず。




昼休みに入ると同時に、席を立った寿くんのもとへと駆け寄る。




「待って、時間取らせないから…ちょとだけ、話したい」




切羽詰まった様子を感じとったのか、寿くんも承諾してくれた。




「いーよ。屋上行く?」




「うん…」



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