俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?
じわっと、涙が溢れてきた。



あたしがもう少し女らしくしてたら、フられなかった?



“初恋の子”っていう条件を気に入って、付き合ったにせよ、



オネエなんて問題外だよね。



自分の女子力のなさを恨むよ…。



こんなことなら、少しぐらい女子に目覚めてもよかったかも。







周りの声が、だんだん広まり始める。



「寿くん、宮崎さんと付き合ってるんだ?お似合いだね」



誰かの声が聞こえる。



「ありがとな。会った瞬間、運命感じちゃってさー」



寿くんの声だ…。



運命…



あたしだって、いまさら運命を感じてた。



こんなことから始まる恋も、あるのかなって。



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