タイニーヒーロー×タイニーボーイ
その名はタイニーヒーロー


そこ、木刀じゃないんだ。と思った。


すけばん……いわゆる、女子の不良ってやつだ。

映画の中だけって思っていたけど、まさか現実にいるなんて思いもしなかったし、怖そうな先輩たちにカツアゲをくらわされている僕を夕日を背にして助けに来てくれるなんて、思ってもいなかった。


が、しかし。


「浜田、マコト……」
「うわああああ!退散、退散だあッ!」


ピアスやらちゃらちゃらしたネックレス刺青やらをして、大胆に制服を着崩した背の高い先輩は一目散に逃げていく。


夕暮れ時の屋上へつながる階段がカアンカアンと乱暴に踏み鳴らされて、震える僕を取り囲んでいた人間はだれ一人いなくなった。



「浜田マコト、全機撃破しましたあっ!!」


やたらハイテンションな声色に、赤スカーフのセーラー服に黒い高めのツインテールが揺れている。

スカートはこの御時世に逆流しているのか足首まであり、ふわりと風になびく。


すけばんと言えばまあ、こんな感じですよね……



……でも。
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