拝啓、先生様
叶温は引きずり込まれたんだ




真っ黒な嘘で塗り固められて

構築された真っ白な虚無の世界に

囚われてしまった






勉強だって

ダイエットだって

メイクだって

髪型だって

服だって

雑用だって




叶温の為に良い子でいたのに



叶温が褒めてくれるから頑張ってたのに






今年受験だから今は集中しろって


何よそれ





受験だから


叶温と勉強したいんじゃん

一緒に居たいんじゃん






誰かに優しくすることはあっても

最後には必ず私のとこへ帰って来てくれたのに







なんで
今日も私は独りなの?







叶温を侵食した闇は

私が貰った光も吸収していったんだ





叶温を信じていた私は



叶温を信じたかった私は





もういない
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