クール男子の取扱説明書
─祐月side─
自販機の前でひとり考える。
オレンジにしようか。
コーラにしようか。
それとも、無難にお茶か。
いや、カルピスとか?
うーん……迷う。というか、好みが分かんない。
自分だけの分の飲み物を買っていくというのもなんだし、とりあえず石原さんの分もね。
もういいや。考えるのがめんどくさい。
まず、なんで俺が石原さんのために、ここまで頭をフル回転させないとだめなんだ。
ピッ
俺が押したのは、オレンジジュース。
なんとなく、石原さんのイメージで。