クール男子の取扱説明書
1人でそこら辺をフラフラ歩いていると、小さな水槽に目が止まった。
その水槽の中には、綺麗な黄色と赤色の魚。
名前は……
「キンギョハナダイ……?」
金魚なのか、鯛なのか……どっちなんだ。
「キンギョハナダイ。綺麗ですよね」
俺の隣からいきなり聞こえてきた高い声に驚きつつもゆっくりそっちを見る。
「綺麗ですね」
俺に話しかけてきた女の人はここの水族館の飼育委員さんで、俺も言葉を返した。