クール男子の取扱説明書



「…………」


「…………えっ!えっ!ええ!え、やだ!え!」


石原さんはいきなり、俺の胸の中で騒ぎ出して、そのままどくのかと思いきや、さっきよりも強く抱きしめてきた。


「痛い痛い、石原さん痛いから」


「わっ!ごめんなさい!」


俺がそう言うと、石原さんはパッと手を離して後ろへ仰け反った。


「えっ!キャッ!!」


「ちょっ……!」


俺は、咄嗟に前へ離れていく石原さんを倒れないように抱き締めた。


「はぁーー……」


本当、心臓が何個あっても足りないな。


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