クール男子の取扱説明書
俺は、ずっとそれを見ていた。
何だ、それ。
「…………かわいいじゃん」
「……え?」
俺は、ジュースとかお菓子の入ってる袋なんか放っといて床に置いた。
そして、そのまま石原さんを抱きしめた。
「えっ!?今井くん!?」
抱きしめることなんて、初めてじゃないから驚かなくてもいいのに、石原さんは、俺の腕の中でジタバタする。
「石原さんって、抱き心地いいんだよ」
「なっ!何言ってるんですか!!」
俺がそういうと、顔を真っ赤にさせる石原さん。
この人のどこが最低なの?
「素直でいいじゃん」
俺は、石原さんに聞こえるような声でそう言った。
もう……言ってしまおうか。
石原さんが好きだって。
俺が負けたって。
ずっと好きにならないと思ってたのに。
好きになったって。