生徒会長の言う通り
キーンコーン…



チャイムがなり終え、私はてきぱきと帰る支度をして職員室のドア付近で翔太を待つ。



いつも通り。いつも通りなのに何か違う


肩に力が入り過ぎてまるでおかしな人。


…緊張してるのか…



緊張緊張緊張…



渡すだけなのに、緊張なんて。



告白でもないのに。



『よっ、待ったか?』


ひょっこりと、顔を出しお得意の二カッと笑う




『そんな待ってませんよ。』


自分の声なのに自分のじゃない。



本当に緊張してるんだ。

そして、ドキドキしてる。


あの、手を繋がれた時と同じで。


あの時から翔太は変わって、1人の男の人のように見えて。


いつからか、私の心臓は速さを増すばかり



私は貴方を見て。


心が持っていかれそうになる



『じゃぁ、行くか』


そう言って、生徒玄関に向かった


私は大きな背中を眺め

後ろをついて行った
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