生徒会長の言う通り
『少し出来上がるのに時間がかかるのでリビングで待っていてくださいよ』


『わかった』



最後に出る笑顔が俺を襲う。
はぁ…、色々辛いな。


女には分からねぇ気持ちってのがあるんだよ。


俺は素直にリビングに行ってソファーに突っ伏す


俺は、疲れていたのかよく分からないが
睡魔に襲われ

プツンと暗闇の世界へ



そこは真っ暗でなにも見えなかった

真っ暗だけど、何故かこの空気雰囲気には覚えがある


小さい頃、友達とかくれんぼしていてここなら見つからないやって神社の社の中に身を潜めてた


予想通り、皆に見つからなかった


それも、その筈。
この神社は子供が寄り付かない古びた所なのだから

ある人は此処は化け狐が現れるとか、火の玉に見つかったら追いかけられるとか


色々な噂が出てくる


だから、俺は友達に強いところを見せようとしてそこに隠れた


しかし、何時間経っても

呼びにこない。


"出てきてよー"なんて言ってくれても良かったのに


誰の声も聞こえなかった


その時、雨が降り出した。
多分かくれんぼしていた時から少しずつ降っていたんだ

俺は社の中だったからあまり分からなかった


水が上から滴るのはしょっちゅうの事で、何故かいつも湿っているこの社。


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