生徒会長の言う通り
『…』

『何かの病気かもしれない…』


怖いよ、翔太。

これが、病気ではないって分かっているようだ。
まるで、これが恋煩い。


恋の病だと診断されたよう


『辛いんです。
翔太が女の事を考えると胸が押しつぶされて麻痺して。』


…いつ治るのか分からない症状。


『…俺のことが好きか?』


その病を治すのは、

『オレはお前のことが好きだよ』

自分の愛次第


もっと、愛に埋もれなければ効かない
成長しない



『…っ』



私は"好きだ"と言われて嫌だとは思わなかった。

小さい頃から本人に言われてきていたから
ときめいたりしないし、こんなにも呼吸速度がはやくなんてならなかった


ただ、ただ夢なのか現実なのか。


『私も…好きです。
……夢かな』


自分の頬をつねってみると痛くて、
じんわりと痛さが頬に広がる


嫌いだった人が、好きで

小さい頃から友達と好きだった人が愛へとかわる


こんなにも人が分かるなんて、人だからこそだと思う。


大切にしよう。この想いを



『夢じゃないみたいだな、いてっ』

わたしの真似をして、翔太まで自分の頬をつねる
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