生徒会長の言う通り
真っ白ではない白衣が目に付く。



『ん?』


『言い忘れてたよ、"アイツ"が会いたがってるってことを』




"ちゃんと言ったからな"と言って窓を閉める。


…会いたがっていても、俺は会う気がしないんだよな。



…もう1本吸うか。



ゴソゴソとポケットの中からタバコの箱を取り出すと中身を確認した。



『やばっ、タバコねぇじゃんか!どうしようかな。』



はぁ、とため息をつくといつもの癖でガシガシと頭をかく


『タバコないなら、早く教室に戻ったらいいんじゃないですか?』


ビクッ


俺は、気配を消している琴葉に驚き死ぬかと思った。


『うわっ!びっくりさせるんじゃねぇ!
寿命縮まるじゃねぇか』



本当に琴葉は、気配を消すのが上手だ。



遊んだ頃とか隠れるのうまかったしな。



『そんなの知りませんよ。今、体育祭の話し合い真っ最中なのに保健室に逃げるなんて』



そう、俺は、逃げてきた。


話し合いなんて生徒が決めればいいのにわざわざ俺に進行させようとするんだ。




『だって、かったるいじゃねぇかよ。
そう思うだろ琴葉~』



『担任がなにをいい出すんですか。』



『琴葉の言うこときかないと痛い目みるよ、翔太』



また、顔を出す坂崎。



『わぁかったわかった!
そんなこと言われたらなにされるか身震いするからさっさと終わらせよっと』



とんっと、軽々と立ち上がり教室へ向かう



『…私をお二方ともどんな目で見てるんですか』



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