生徒会長の言う通り
……新垣先生、じゃなかった。
とても、低い声で…何処か聞いたことのある
確か、斗真君
『と、斗真?
いや、琴葉さん怪我をしてて心配だから駆け寄っただけであって…』
『下手な言い訳いらない。
早く帰った方が身のためだけど』
…先生でも、呼んだの?
私は予想外の出来事に対応出来なかった
『…っ!
は、早く帰ろっ!』
詩織さんは、なにかに勘づいたのかそそくさと帰り始め
ポツンと私と斗真君だけがいた
『…』
『…』
多少の時間黙っていた。
どのくらい過ぎたのかわからない。
ありがとうと言うべきなんだろうが言葉が詰まった
『…新垣先生、玄関で待ってて、羽劉院探してる』
『…すぐ行く。』
私は先生の元へと行こうと足を1歩踏み出すとズキズキと痛くて
眉間を寄せる
蹴られた足を見てみると、ふっくらと青く膨らんでいた。
痛々しくて見られない
『斗真君。先生に先に帰っててって言ってくれる?私、用があるからさ』
そう言って微笑む
『は?なんで俺が言わなきゃなんないの?自分で行けよ。』
…なんて小童。
うざいとも超えて呆れたしか声に出ない
この小童は、次の瞬間変な行動をとった
『…』
背中を私に向け手を差し出すような感じで早く乗れと言わんばかりに近寄る
『…乗れって言ってる?』
『…』
黙ってる。この人、本当は優しくしてやりたいのに出来ないんじゃないか
本当は不器用なんだろうか
『…ありがとう』
そう呟いて背中にすっぽりとはまっておんぶされたカタチになった
『重いなら下ろしてもいいから』
『病人下ろしてなんの得にもなんねーぇよ』
『軽くなるじゃない』
『お前抱えても抱えなくてもほぼかわんない。つか、ちゃんと、メシ食った方がいいと思うけど』
『お世辞ありがとー』
適当な会話をしてすぐ玄関を出る