生徒会長の言う通り
『先生ー、遅れてすみません。
女の子とじゃれ合ってて怪我したのを斗真君に助けられてこの状態です』



『はぁー!?
お前…同じクラスの。
ありがとう。助けて貰って』


『…いえ』



斗真君は私を下ろして振り向きもせず私達と反対方向を歩き出した



『…っ、待って。』


私は、斗真君の手を掴んだ
とても、男らしい筋肉質の手を




『助けて貰って本当にありがとう。
表の顔を出さないよう素でいくからさ、友達になってよ』



『…は?』



斗真君は豆鉄砲を食らったハトのような顔をし目を丸くしていた



『なに?無愛想だから、友達少ないと同情してきたワケ?生徒会長として可哀想と思うんだ、』


『違う。
私は生徒会長だからって友達が多いとかじゃない。
素でいいと思える人が私には必要なの。』


『…なにそれ』



斗真君は、地面を見て俯いたまま



『それ、くれたらなってやってもいい』


< 42 / 121 >

この作品をシェア

pagetop